一目均衡表の雲とは?ねじれの見方やテクニカル分析での使い方を解説!
一目均衡表とは、日本人の株式評論家「細田悟一」が開発した日本発のトレンド系インジケーターです。 一目均衡表にはさまざまなトレードシグナルがありますが、2種類の先行スパンの空間である「雲」を利用したテクニカル分析は視覚的にも分かりやすいのが特徴です。 「一目均衡表の雲ってどういう仕組みなのか?見方は?」 「実際に一目均衡表の雲をどうやってテクニカル分析につかったらいいのか?」 一目均衡表の雲と聞くと上記のような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。 結論として、一目均衡表の雲はサポートやレジスタンスとして機能し、雲を基準に押し目買いや戻り売りが可能です。 また雲のねじれやローソク足の上抜け・下抜けを見ることでトレンド転換も分かります。 この記事では、一目均衡表の雲について、特徴や相場分析における見方、テクニカル分析で実際に利用する方法に至る以下の7つの項目で詳しく解説していきます。 一目均衡表とは? 一目均衡表とは、「細田悟一」という日本人の株式評論家が開発した日本発のトレンド系インジケーターです。 一目均衡表は、以下の4つの要素から成り立っており、それぞれ要素の方向やローソク足との位置関係をトレードに利用します。 また一目均衡表は「時間論」、「波動論」、「水準論」という3つの理論に基づいて使われるインジケーターでもあります。 例えば波動論とは、チャートの波の流れや形から相場分析をするという理論であり、今後の相場の予測に役立つのです。 一目均衡表については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。 一目均衡表の雲とは 一目均衡表の雲とは、2種類の先行スパンである「先行スパン1」と「先行スパン2」との間にある空間を指します。 先行スパン1は、基準線と転換線の(合計を2で割ったもの)平均を26日先行させた線であり、短期的な値動きに関する情報を表します。 一方で、先行スパン2は、過去52日間の最高値と最安値の(合計を2で割ったもの)平均を26日先行させた線であり、長期的な値動きに関する情報を表すのです。 先行スパン1と先行スパン2では、異なる時間軸の値動きを表すので空間ができます。 その空間を塗りつぶした部分が「雲」と呼ばれ、視覚的にも分かりやすいこともあり、一目均衡表を利用したテクニカル分析において重要な役割を果たすのです。 一目均衡表の先行スパンについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。 一目均衡表の雲のねじれとは 一目均衡表の雲には、以下の2種類が存在します。 この2種類の雲が切り替わる、つまり先行スパン1と先行スパン2がねじれて位置関係が変わる箇所が「雲のねじれ」と呼ばれます。 雲のねじれは、トレンド転換のサインとして機能します。 一目均衡表の雲の見方 一目均衡表の雲には、以下の3つの見方があります。 その1:ローソク足との位置関係でトレンドを把握する ローソク足と雲の以下のような位置関係を見ることで、トレンドを把握することができます。 ローソク足と雲の位置関係を確認して、相場のトレンドを把握することが一目均衡表を利用したテクニカル分析の基礎となるので抑えておきましょう。 その2:サポートやレジスタンスとして機能する 一目均衡表の雲は、サポートやレジスタンスとして機能します。 例えば、ローソク足が雲よりも上にあって上昇トレンドを示している場合、ローソク足の下にある雲はサポートとして機能し、一時下落した際に雲で反発する傾向があります。 一方で、ローソク足が雲よりも下にあって下落トレンドを示している場合、雲はレジスタンスとして機能し、一時的に上昇したとしても雲で反発する傾向があるのです。 また雲は厚ければ厚いほど、強いサポートやレジスタンスとしてはたらきます。 その3:好転・逆転はトレンド転換のサイン ローソク足が雲を下から上に抜けた場合は「好転」、雲を上から下に抜けた場合は「逆転」と呼ばれます。 好転・逆転はトレンド転換のサインとして認識するようにしましょう。 また好転・逆転に加えて、転換線と基準線、そして遅行線とローソク足の関係という3つの条件を満たすと「三役好転(三役逆転)」と呼ばれます。 三役好転(三役逆転)は、一目均衡表を利用したテクニカル分析の中でも、最も強い売買サインとなります。 三役好転と三役逆転については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。 一目均衡表の雲を使ったテクニカル分析 それでは一目均衡表の雲を実際にテクニカル分析でどのように利用できるのか、以下の2つの状況をみていきましょう。 その1:上昇相場の場合 まずはローソク足が雲を下から上に抜ける「好転」が発生したかを確認することで、上昇トレンドが始まったかが分かります。 そしてローソク足が雲の上で位置し続けて、雲で反発する傾向が見られたら、上昇相場に本格的に移行したと判断します。 この際、雲のねじれが確認できると、下落相場から上昇相場へのより強いトレンド転換のサインとして判断できるので注目しましょう。 実際に取引する場合は、雲の位置を目印にして押し目買いを検討すると良いでしょう。 以降、ローソク足が雲を下回るまで上昇トレンドとして押し目買いやポジションの保有を続けていきます。 その2:下落相場の場合 上昇相場と同様に、ローソク足が雲を上から下に抜ける「逆転」が発生したかを見て、下落トレンド開始の兆候を確認します。 そしてローソク足が雲の下で位置し続けて、雲がレジスタンスとなって反発する傾向が見られたら、下落相場へ本格的に移行したと判断します。 この際、雲のねじれが確認できると、上昇相場から下落相場へのより強いトレンド転換のサインとして判断できるので注目してみてください。 実際に取引する場合は、雲の位置を目印にして戻り売りを検討すると良いでしょう。 以降、ローソク足が雲を上回るまで下落トレンドとみなして、戻り売りやポジションの保有を続けていきます。 […]
一目均衡表とは、日本人の株式評論家「細田悟一」が開発した日本発のトレンド系インジケーターです。
一目均衡表にはさまざまなトレードシグナルがありますが、2種類の先行スパンの空間である「雲」を利用したテクニカル分析は視覚的にも分かりやすいのが特徴です。
「一目均衡表の雲ってどういう仕組みなのか?見方は?」
「実際に一目均衡表の雲をどうやってテクニカル分析につかったらいいのか?」
一目均衡表の雲と聞くと上記のような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
結論として、一目均衡表の雲はサポートやレジスタンスとして機能し、雲を基準に押し目買いや戻り売りが可能です。
また雲のねじれやローソク足の上抜け・下抜けを見ることでトレンド転換も分かります。
この記事では、一目均衡表の雲について、特徴や相場分析における見方、テクニカル分析で実際に利用する方法に至る以下の7つの項目で詳しく解説していきます。
- 一目均衡表とは?
- 一目均衡表の雲とは
- 一目均衡表の雲のねじれとは
- 一目均衡表の雲の見方
- 一目均衡表の雲を使ったテクニカル分析
- 一目均衡表の雲を利用する際の3つの注意点
- まとめ
一目均衡表とは?
一目均衡表とは、「細田悟一」という日本人の株式評論家が開発した日本発のトレンド系インジケーターです。
一目均衡表は、以下の4つの要素から成り立っており、それぞれ要素の方向やローソク足との位置関係をトレードに利用します。
- 転換線:過去26日間の最高値と最安値の平均を表す
- 基準線:過去9日間の最高値と最安値の平均を表す
- 先行スパン:先行スパン1と先行スパン2の2種類が存在する
- 遅行線(遅行スパン):当日の終値を26日前に遅らせて表示させたライン
また一目均衡表は「時間論」、「波動論」、「水準論」という3つの理論に基づいて使われるインジケーターでもあります。
例えば波動論とは、チャートの波の流れや形から相場分析をするという理論であり、今後の相場の予測に役立つのです。
一目均衡表については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
一目均衡表の雲とは
一目均衡表の雲とは、2種類の先行スパンである「先行スパン1」と「先行スパン2」との間にある空間を指します。
先行スパン1は、基準線と転換線の(合計を2で割ったもの)平均を26日先行させた線であり、短期的な値動きに関する情報を表します。
一方で、先行スパン2は、過去52日間の最高値と最安値の(合計を2で割ったもの)平均を26日先行させた線であり、長期的な値動きに関する情報を表すのです。
先行スパン1と先行スパン2では、異なる時間軸の値動きを表すので空間ができます。
その空間を塗りつぶした部分が「雲」と呼ばれ、視覚的にも分かりやすいこともあり、一目均衡表を利用したテクニカル分析において重要な役割を果たすのです。
一目均衡表の先行スパンについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
一目均衡表の雲のねじれとは
一目均衡表の雲には、以下の2種類が存在します。
- 先行スパン1が先行スパン2よりも上にある雲:上昇相場で出現する
- 先行スパン1が先行スパン2よりも下にある雲:下落相場で出現する
この2種類の雲が切り替わる、つまり先行スパン1と先行スパン2がねじれて位置関係が変わる箇所が「雲のねじれ」と呼ばれます。
雲のねじれは、トレンド転換のサインとして機能します。
一目均衡表の雲の見方
一目均衡表の雲には、以下の3つの見方があります。
- ローソク足との位置関係でトレンドを把握する
- サポートやレジスタンスとして機能する
- 好転・逆転はトレンド転換のサイン
その1:ローソク足との位置関係でトレンドを把握する
ローソク足と雲の以下のような位置関係を見ることで、トレンドを把握することができます。
- ローソク足が雲よりも上にある場合:上昇トレンド
- ローソク足が雲よりも下にある場合:下落トレンド
- ローソク足が雲の中にある場合:レンジ相場(もみ合い相場)
ローソク足と雲の位置関係を確認して、相場のトレンドを把握することが一目均衡表を利用したテクニカル分析の基礎となるので抑えておきましょう。
その2:サポートやレジスタンスとして機能する
一目均衡表の雲は、サポートやレジスタンスとして機能します。
例えば、ローソク足が雲よりも上にあって上昇トレンドを示している場合、ローソク足の下にある雲はサポートとして機能し、一時下落した際に雲で反発する傾向があります。
一方で、ローソク足が雲よりも下にあって下落トレンドを示している場合、雲はレジスタンスとして機能し、一時的に上昇したとしても雲で反発する傾向があるのです。
また雲は厚ければ厚いほど、強いサポートやレジスタンスとしてはたらきます。
その3:好転・逆転はトレンド転換のサイン
ローソク足が雲を下から上に抜けた場合は「好転」、雲を上から下に抜けた場合は「逆転」と呼ばれます。
好転・逆転はトレンド転換のサインとして認識するようにしましょう。
また好転・逆転に加えて、転換線と基準線、そして遅行線とローソク足の関係という3つの条件を満たすと「三役好転(三役逆転)」と呼ばれます。
三役好転(三役逆転)は、一目均衡表を利用したテクニカル分析の中でも、最も強い売買サインとなります。
三役好転と三役逆転については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
一目均衡表の雲を使ったテクニカル分析
それでは一目均衡表の雲を実際にテクニカル分析でどのように利用できるのか、以下の2つの状況をみていきましょう。
- 上昇相場の場合
- 下落相場の場合
その1:上昇相場の場合
まずはローソク足が雲を下から上に抜ける「好転」が発生したかを確認することで、上昇トレンドが始まったかが分かります。
そしてローソク足が雲の上で位置し続けて、雲で反発する傾向が見られたら、上昇相場に本格的に移行したと判断します。
この際、雲のねじれが確認できると、下落相場から上昇相場へのより強いトレンド転換のサインとして判断できるので注目しましょう。
実際に取引する場合は、雲の位置を目印にして押し目買いを検討すると良いでしょう。
以降、ローソク足が雲を下回るまで上昇トレンドとして押し目買いやポジションの保有を続けていきます。
その2:下落相場の場合
上昇相場と同様に、ローソク足が雲を上から下に抜ける「逆転」が発生したかを見て、下落トレンド開始の兆候を確認します。
そしてローソク足が雲の下で位置し続けて、雲がレジスタンスとなって反発する傾向が見られたら、下落相場へ本格的に移行したと判断します。
この際、雲のねじれが確認できると、上昇相場から下落相場へのより強いトレンド転換のサインとして判断できるので注目してみてください。
実際に取引する場合は、雲の位置を目印にして戻り売りを検討すると良いでしょう。
以降、ローソク足が雲を上回るまで下落トレンドとみなして、戻り売りやポジションの保有を続けていきます。
一目均衡表の雲を利用する際の3つの注意点
一目均衡表の雲をテクニカル分析や実際のトレードで利用する際には、以下の3つの点に注意するようにしましょう。
- サポート・レジスタンスとして機能しないことがある
- 好転・逆転が雲のねじれよりも先に発生する
- 雲がねじれてもトレンドが転換しないことがある
その1:サポート・レジスタンスとして機能しないことがある
相場によっては、一目均衡表の雲がサポート・レジスタンスとして機能しないことがあります。
例えば、レンジ相場の場合、ローソク足が雲を上に超えたり、下回ったりするので、雲をサポートやレジスタンスの目安として利用することができません。
またボラティリティが高い相場だと、突発的に雲を下回ったのちに相場価格が上昇したり、上回ったのちに下落したりする「だまし」が発生することもあります。
一目均衡表の雲をサポート・レジスタンスとして利用する際は、多くのトレーダーに意識されていそうな水平線が雲付近にあるかどうかも確認しておきましょう。
その2:好転・逆転が雲のねじれよりも先に発生する
好転・逆転と雲のねじれはどちらもトレンド転換のサインですが、好転・逆転の方がねじれよりも先に発生することは覚えておきましょう。
好転・逆転は、ローソク足と雲の位置関係を利用したトレンド転換サインであり、ローソク足を利用しているため、現在の相場状況が比較的リアルタイムに反映されます。
一方で、雲のねじれは高値・安値や基準線・転換線の平均値を先行して表示した先行スパンを基準としているので、チャート上で先行表示させている分、反映が遅れてしまうのです。
したがってまずは好転・逆転でトレンド転換の兆候を確認したのちに、雲のねじれを見てトレンド転換が確かなものであるのかを判断するようにしましょう。
その3:雲がねじれてもトレンドが転換しないことがある
「雲のねじれ」はトレンド転換のサインを正確に表すわけではありません。
例えばレンジ相場のような相場の方向が短期間で上下変動する相場だと、トレンド転換が発生していないのにも関わらず、何度もねじれが発生することがあります。
ねじれのみをトレンド転換のサインとしてエントリーを行うと、何度もねじれが発生する相場に遭遇した場合に、何度も損切りにあってしまうのです。
したがってねじれをトレンド転換のサインとして利用する場合は、オシレーター系インジケーターなど複数のインジケーターを組み合わせて利用するようにしましょう。
まとめ
一目均衡表の雲について、特徴や仕組みから相場分析における見方、テクニカル分析で実際に利用する方法に至るまで詳しく解説してきました。
一目均衡表の雲は視覚的に相場状況を把握しやすく、一目均衡表を利用したことがない初心者の方でも簡単にトレードに取り入れられるインジケーターです。
また雲のねじれや好転・逆転を見ることで、トレンド状況だけでなく、相場の流れの変化を確認することも可能です。
しかし一目均衡表の雲がサポートやレジスタンスとして機能しないこともあり、単体では取引シグナルとしてそれほど確度が高くないというデメリットがあります。
一目均衡表の雲を取引に取り入れる際は、基準線や転換線などの一目均衡表の他の指標も確認したり、他のインジケーターを組み合わせたりするようにしましょう。