一目均衡表の三役逆転とは?成立条件の見極め方や4つの注意点を解説!
一目均衡表とは、日本人の株式評論家「細田悟一」によって昭和初期に開発されたトレンド系インジケーターであり、転換線を始めとした4つの要素から成り立っています。 一目均衡表ではそれぞれの構成要素のみでも取引ができますが、4つ全ての要素を組み合わせた売買シグナル「三役逆転」が最も強い売りサインとして知られているのです。 「一目均衡表の三役逆転ってどのようなサインなのか?」 「一目均衡表の三役逆転を実際にどうやってトレードで活用したらいいのか?」 一目均衡表の三役逆転と聞くと上記のような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。 結論として、一目均衡表における三役逆転の成立条件は「均衡表の逆転」、「遅行線の逆転」、「雲の逆転」という3つの逆転が確認できることです。 ただし三役逆転はいつでも利用できる売買シグナルという訳ではなく、使うべき相場状況を見極めたり、エントリータイミングに気をつけたりしなければなりません。 この記事では、一目均衡表の三役逆転について、内容や満たすべき3つの条件、実際に取引で利用する方法に至るまで以下の6つの項目で詳しく解説していきます。 一目均衡表とは? 一目均衡表とは、日本人の株式評論家「細田悟一」が「一目山人」というペンネームで発表した事で知られている、日本発のトレンド系インジケーターです。 一目均衡表は以下の4つの要素から構成されています。 4つの要素それぞれを見ることで、相場のトレンド方向だけでなく、市場参加者の心理や買い手と売り手の需給バランスなどが「一目」で確認できます。 また一目均衡表を利用する際に「時間論」、「波動論」、「水準論」という3つの理論を用いることも重要です。 例えば水準論とは、4つの計算方法を利用して、将来どれくらいまで価格が推移するのかその値幅を予測できる理論です。 一目均衡表については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。 一目均衡表の三役逆転とは 一目均衡表の三役逆転とは、一目均衡表で判断できる強い売りシグナルであり、「3つの役が揃うことで相場が逆転(弱気)する」ことからそのように呼ばれています。 一目均衡表における三役逆転の発生条件は、以下3つの逆転条件が揃うことです。 それぞれの条件について詳しく見ていきましょう。 その1:転換線が基準線を下抜ける 1つ目は、転換線が基準線を下抜けてデッドクロスする「均衡表の逆転」です。 転換線は過去9日間、基準線は過去26日間における最高値と最安値の平均を結んだラインです。 転換線が基準線を下抜けるということは、短期における相場価格の水準が中期の水準を下回っており、売り圧力が徐々に強くなっていると判断できるのです。 一目均衡表の転換線と基準線については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。 その2:遅行線が相場価格を下抜ける 2つ目は、遅行線(遅行スパン)が相場価格を下抜ける「遅行線の逆転」です。 遅行線は26日前、つまり金融市場の営業日約1ヵ月分、当日の終値を遅行させて(チャートの左側へずらして)表示させたラインです。 当日の終値を遅行させることで、約1ヵ月前の相場価格と現在の相場価格を比較できるようになります。 つまり遅行線が相場価格よりも下の位置にあると、約1ヵ月前に銘柄を購入していた人は含み損を抱えている、つまり売り手が有利な相場状況であると分かるのです。 遅行線が相場価格を下抜けるということは、売り手が有利な相場が到来していると判断してください。 一目均衡表の遅行線については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。 その3:相場価格が雲を下抜ける 「均衡表の逆転」と「遅行線の逆転」に合わせて、相場価格が雲を下抜ける「雲の逆転」の発生で三役逆転は完成です。 雲とは、2種類の先行スパン「先行スパン1」と「先行スパン2」に囲まれた空間部分を指し、サポートやレジスタンスとして機能することで知られています。 つまり相場価格が雲を下抜けるということは、今まで相場価格を支えるサポート帯として機能していた価格を突破するほど、強い下落トレンドが発生したということを表すのです。 また相場価格が一度雲を下抜けると、その後雲はレジスタンスとして機能することも多く、雲によって価格が抑えられるようになることで本格的な下落トレンドに突入します。 一目均衡表の雲については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。 ≫一目均衡表の雲とは?ねじれの見方やテクニカル分析での使い方を解説! 三役逆転が実際の相場でどのように発生するのか 実際の相場では、以下の順で三役逆転の条件は発生します。 まず、短期の相場水準を表す転換線が基準線を下抜ける「デッドクロス」が発生し、短期相場における下落圧力が強まります。 その後、遅行線が相場価格を下回ることで本格的に売り手が有利な相場状況となります。最後に相場価格が雲を下抜けて三役逆転の完成です。 相場価格が雲を下抜けることのみが三役逆転だと勘違いされがちですが、実際には雲の逆転が発生する前に、残りの2つの逆転条件が成立しているのです。 ただし「均衡表の好転」や「遅行線の逆転」が先に見られることもしばしばあります。 先ほど紹介した順番と違った形でそれぞれの逆転が発生した場合は、通常時とは異なる値動きが発生していると判断してください。 一目均衡表の三役逆転を使った取引手法 一目均衡表の三役逆転を実際の取引でどのように利用していくのか見ていきましょう。 まずは転換線が基準線を下抜けて、デッドクロスが発生しているかどうかを確認します。 デッドクロスが確認できたら相場価格が、中期的な相場の水準を表す基準線の下で推移してるか、基準線が下方向を向いていて弱気相場であるかも見ておきましょう。 そして遅行線が相場価格を完全に下抜け、かつ相場価格が雲も下抜けて三役逆転が成立したタイミングで売りエントリーを狙います。 エントリータイミングは、雲の下限である先行スパン1または雲の上限である先行スパン2まで相場価格が戻ってきた時です。 そして損切りは、三役逆転の条件が崩れる価格帯、つまり雲の上限である先行スパン2を上回った位置で行います。 一目均衡表の三役逆転を利用する際の4つの注意点 一目均衡表の三役逆転を実際の取引で利用する際には、以下の4つの点に注意するようにしましょう。 その1:条件が1つでも揃わないと三役逆転ではない […]
一目均衡表とは、日本人の株式評論家「細田悟一」によって昭和初期に開発されたトレンド系インジケーターであり、転換線を始めとした4つの要素から成り立っています。
一目均衡表ではそれぞれの構成要素のみでも取引ができますが、4つ全ての要素を組み合わせた売買シグナル「三役逆転」が最も強い売りサインとして知られているのです。
「一目均衡表の三役逆転ってどのようなサインなのか?」
「一目均衡表の三役逆転を実際にどうやってトレードで活用したらいいのか?」
一目均衡表の三役逆転と聞くと上記のような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
結論として、一目均衡表における三役逆転の成立条件は「均衡表の逆転」、「遅行線の逆転」、「雲の逆転」という3つの逆転が確認できることです。
ただし三役逆転はいつでも利用できる売買シグナルという訳ではなく、使うべき相場状況を見極めたり、エントリータイミングに気をつけたりしなければなりません。
この記事では、一目均衡表の三役逆転について、内容や満たすべき3つの条件、実際に取引で利用する方法に至るまで以下の6つの項目で詳しく解説していきます。
- 一目均衡表とは?
- 一目均衡表の三役逆転とは
- 三役逆転が実際の相場でどのように発生するのか
- 一目均衡表の三役逆転を使った取引手法
- 一目均衡表の三役逆転を利用する際の4つの注意点
- まとめ
一目均衡表とは?
一目均衡表とは、日本人の株式評論家「細田悟一」が「一目山人」というペンネームで発表した事で知られている、日本発のトレンド系インジケーターです。
一目均衡表は以下の4つの要素から構成されています。
- 転換線:過去9日間の最高値と最安値の平均を表す
- 基準線:過去26日間の最高値と最安値の平均を表す
- 先行スパン:先行スパン1と先行スパン2の2種類が存在する
- 遅行線(遅行スパン):当日の終値を26日前に遅らせて表示したライン
4つの要素それぞれを見ることで、相場のトレンド方向だけでなく、市場参加者の心理や買い手と売り手の需給バランスなどが「一目」で確認できます。
また一目均衡表を利用する際に「時間論」、「波動論」、「水準論」という3つの理論を用いることも重要です。
例えば水準論とは、4つの計算方法を利用して、将来どれくらいまで価格が推移するのかその値幅を予測できる理論です。
一目均衡表については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
一目均衡表の三役逆転とは
一目均衡表の三役逆転とは、一目均衡表で判断できる強い売りシグナルであり、「3つの役が揃うことで相場が逆転(弱気)する」ことからそのように呼ばれています。
一目均衡表における三役逆転の発生条件は、以下3つの逆転条件が揃うことです。
- 転換線が基準線を下抜ける
- 遅行線が相場価格を下抜ける
- 相場価格が雲を下抜ける
それぞれの条件について詳しく見ていきましょう。
その1:転換線が基準線を下抜ける
1つ目は、転換線が基準線を下抜けてデッドクロスする「均衡表の逆転」です。
転換線は過去9日間、基準線は過去26日間における最高値と最安値の平均を結んだラインです。
転換線が基準線を下抜けるということは、短期における相場価格の水準が中期の水準を下回っており、売り圧力が徐々に強くなっていると判断できるのです。
一目均衡表の転換線と基準線については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
その2:遅行線が相場価格を下抜ける
2つ目は、遅行線(遅行スパン)が相場価格を下抜ける「遅行線の逆転」です。
遅行線は26日前、つまり金融市場の営業日約1ヵ月分、当日の終値を遅行させて(チャートの左側へずらして)表示させたラインです。
当日の終値を遅行させることで、約1ヵ月前の相場価格と現在の相場価格を比較できるようになります。
つまり遅行線が相場価格よりも下の位置にあると、約1ヵ月前に銘柄を購入していた人は含み損を抱えている、つまり売り手が有利な相場状況であると分かるのです。
遅行線が相場価格を下抜けるということは、売り手が有利な相場が到来していると判断してください。
一目均衡表の遅行線については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
その3:相場価格が雲を下抜ける
「均衡表の逆転」と「遅行線の逆転」に合わせて、相場価格が雲を下抜ける「雲の逆転」の発生で三役逆転は完成です。
雲とは、2種類の先行スパン「先行スパン1」と「先行スパン2」に囲まれた空間部分を指し、サポートやレジスタンスとして機能することで知られています。
つまり相場価格が雲を下抜けるということは、今まで相場価格を支えるサポート帯として機能していた価格を突破するほど、強い下落トレンドが発生したということを表すのです。
また相場価格が一度雲を下抜けると、その後雲はレジスタンスとして機能することも多く、雲によって価格が抑えられるようになることで本格的な下落トレンドに突入します。
一目均衡表の雲については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫一目均衡表の雲とは?ねじれの見方やテクニカル分析での使い方を解説!
三役逆転が実際の相場でどのように発生するのか
実際の相場では、以下の順で三役逆転の条件は発生します。
- 転換線が基準線を下抜ける「均衡表の逆転」
- 遅行線が相場価格を下抜ける「遅行線の逆転」
- 相場価格が雲を下抜ける「雲の逆転」
まず、短期の相場水準を表す転換線が基準線を下抜ける「デッドクロス」が発生し、短期相場における下落圧力が強まります。
その後、遅行線が相場価格を下回ることで本格的に売り手が有利な相場状況となります。最後に相場価格が雲を下抜けて三役逆転の完成です。
相場価格が雲を下抜けることのみが三役逆転だと勘違いされがちですが、実際には雲の逆転が発生する前に、残りの2つの逆転条件が成立しているのです。
ただし「均衡表の好転」や「遅行線の逆転」が先に見られることもしばしばあります。
先ほど紹介した順番と違った形でそれぞれの逆転が発生した場合は、通常時とは異なる値動きが発生していると判断してください。
一目均衡表の三役逆転を使った取引手法
一目均衡表の三役逆転を実際の取引でどのように利用していくのか見ていきましょう。
まずは転換線が基準線を下抜けて、デッドクロスが発生しているかどうかを確認します。
デッドクロスが確認できたら相場価格が、中期的な相場の水準を表す基準線の下で推移してるか、基準線が下方向を向いていて弱気相場であるかも見ておきましょう。
そして遅行線が相場価格を完全に下抜け、かつ相場価格が雲も下抜けて三役逆転が成立したタイミングで売りエントリーを狙います。
エントリータイミングは、雲の下限である先行スパン1または雲の上限である先行スパン2まで相場価格が戻ってきた時です。
そして損切りは、三役逆転の条件が崩れる価格帯、つまり雲の上限である先行スパン2を上回った位置で行います。
一目均衡表の三役逆転を利用する際の4つの注意点
一目均衡表の三役逆転を実際の取引で利用する際には、以下の4つの点に注意するようにしましょう。
- 条件が1つでも揃わないと三役好転ではない
- エントリータイミングが遅れてしまうことがある
- レンジ相場では使えない
- だましが発生する可能性がある
その1:条件が1つでも揃わないと三役逆転ではない
三役逆転の成立に必要な3つの条件のうち、1つでも揃わないと三役逆転が成り立ったとはいえません。
相場価格が雲を下抜けるのが条件発生の順番上最後となるので、雲の逆転が三役逆転だと考えている人もいるようですが、実は違うのです。
時には雲を下抜けても、均衡表の逆転や遅行線の逆転がまだ発生していないケースも見られます。
したがって三役逆転を実際の取引で利用する際は、雲の下抜けだけでなく、その他2つの逆転条件を満たしているのかもしっかり確認するようにしましょう。
その2:エントリータイミングが遅れてしまうことがある
三役逆転を利用した取引では、3つの条件の成立を待たないといけないのでどうしてもエントリータイミングが遅れてしまうことがあるのです。
エントリータイミングの遅れを改善するために、最も早めの売りシグナルを発する「均衡表の逆転」でエントリーを仕掛けることもできます。
ただし、短期的な相場に左右される転換線は向きが都度変わるので、下落トレンドが発生していないのにもかかわらず均衡表の逆転が見られることもあるので注意しましょう。
条件成立を予測して早めに仕掛けるのは少し経験が必要となるので、トレード初心者の方は三役逆転の成立を待って、戻りを狙って有利な価格で売買することを心掛けてください。
その3:レンジ相場では使えない
三役逆転は、あくまで下落トレンド時に利用できる売りの売買シグナルであり、レンジ相場では使えないことを覚えておきましょう。
レンジ相場のような相場価格が不規則に動く状況下であっても、時には三役逆転の条件を全て満たしているかのように見えることがあります。
しかし、レンジ相場で三役逆転のセオリーにしたがって取引をしても実際には意味がないのです。
三役逆転を取引で利用する際は、一目均衡表を構成する各要素の位置関係や他のインジケーターも活用して、全体的な相場状況を把握することも忘れないようにしましょう。
その4:だましが発生する可能性もある
三役逆転は、一目均衡表で確認できる最も強い売りの売買シグナルですが、時には条件が成立しても価格が下落しないことがあります。
特に経済指標の発表時のようにボラティリティが高い相場だと、三役逆転が成立後、突発的に雲を上回ってから下落するイレギュラーな値動きが発生する可能性もあるのです。
したがって三役逆転が成立したからと言って売りの順張り取引が必ず成功するとは限らないということを念頭に置き、必ず損切ラインを設定してリスク管理を行いましょう。
まとめ
一目均衡表の三役逆転について、内容や満たすべき3つの条件、実際に取引で利用する方法に至るまで詳しく解説してきました。
三役逆転は一目均衡表で確認できる最も強い売りの売買シグナルであり、インジケーター1つで3つの条件を確認できるかなり精度の高いサインであるのが特徴です。
また条件の確認も視覚的に分かりやすいので、トレード初心者でも簡単にトレードに取り入れられます。
しかし三役逆転が成立してからのエントリーだとしばしばエントリータイミングが遅れてしまうことがあります。
したがって一目均衡表を構成する他の要素や、インジケーターを活用して三役逆転が成立しそうなタイミングを予測して取引を行うのが最適であるといえるのです。
トレード経験が短く、相場の予測をするのが難しいという方は三役逆転の成立後、戻りを狙うという使い方をまずは試してみてください。