ボリンジャーバンドの順張り手法を2つ紹介!順張りに向いている理由も解説
ボリンジャーバンドを使った取引手法というと、バンドを使った逆張り取引が最もオーソドックスな手法として知られています。 しかし実はボリンジャーバンドは順張り取引に向いているのです。 「ボリンジャーバンドがなぜ順張り取引に向いているのか」 「具体的にどうやって順張りに使えばいいのか教えてほしい」 ボリンジャーバンドの順張り手法と聞くと、上記のような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。 結論、ボリンジャーバンドでは順張り取引に役立つトレンドの発生や方向が1つのインジケータで分かるので向いているのです。 この記事では、ボリンジャーバンドの順張り手法について以下の7つの項目で詳しく解説していきます。 ボリンジャーバンドの基本的な見方 ボリンジャーバンドは、中心に表示されている「センターバンド(移動平均線)」と、センターバンドからの価格のばらつき具合を表す「バンド」の2つで構成されています。 そしてバンドには、主に±1σ、±2σ、±3σの6種類があります。 センターバンドでトレンドの方向を見て、バンドで相場のボラティリティやトレンドの発生を確認するという見方がボリンジャーバンドの基本です。 ≫ボリンジャーバンドとは?見方やテクニカル分析での使い方を解説! ボリンジャーバンドは順張り取引に向いている 順張り取引とは、相場のトレンド方向に沿ってポジションを保有する取引手法です。 ボリンジャーバンドは、逆張りでも順張りでも使えるインジケーターであり、バンドを使った逆張り取引が最もオーソドックスな取引手法として知られています。 しかし実はバンドを使った逆張り取引よりも、順張り取引の方がリスクが低いのでトレード初心者には向いているのです。 またボリンジャーバンドの開発者である「ジョン・ボリンジャー」も、ボリンジャーバンドを順張り取引で利用することを推奨しています。 ボリンジャーバンドを使った逆張り手法については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。 ≫ボリンジャーバンドを使った逆張り手法を紹介!逆張りが使える状況も解説! ボリンジャーバンドが順張り取引に向いている3つの理由 ボリンジャーバンドは、以下の3つのことが分かることにより順張り取引に向いています。 その1:レンド相場かレンジ相場か ボリンジャーバンドでは、バンドを見ることでレンジ相場であるのかトレンド相場であるのか現状の相場状況を判断できます。 具体的にはレンジ相場ではバンドは平行になり、トレンドが発生するとバンド幅が拡大します。 ≫ボリンジャーバンドのエクスパンションとは?判断方法やだましへの対処方法を解説! バンドが平行になっているレンジ相場を避け、バンドが拡大しているトレンド相場のみで取引を行うことで順張り取引の確度を高められるのです。 トレンドの有無を視覚的に分かりやすく判断できる点が、ボリンジャーバンドが順張り取引に向いている理由の1つです。 その2:トレンドの方向 ボリンジャーバンドではバンドを使ってトレンドの有無を判断できるだけでなく、センターバンドを使ってトレンドの方向も分かります。 ボリンジャーバンドのセンターバンドは移動平均線であり、移動平均線の傾きを見ればトレンドの方向が分かるのです。 トレンドの方向が分かると、買いポジションまたは売りポジションどちらをとればよいのかが明確になります。 ≫【テクニカル分析】移動平均線を1本だけ使ったシンプルなトレード手法を解説 その3:ボラティリティの高まり ボリンジャーバンドのバンドは、価格のばらつきをあらわす統計学の指標「標準偏差」を基に計算されており、σの数値が大きいほど価格のばらつきが大きいことを表します。 バンド内に相場価格が収まる確率は以下のようになっています。 バンド名 価格が収まる確率 ±1σ 約68.3% ±2σ 約95.4% ±3σ 約99.7% つまり±2σまたは±3σを超えて価格が推移するということは、相当ボラティリティが高まっていることを表します。 またボラティリティが高まるとバンド幅が広がるので、バンド幅の広がりをみることでもボラティリティの高まりが分かります。 ボラティリティが高まった状況で順張り取引をすると、トレンドの波に乗れてより大きな利益を狙えるのです。 ボリンジャーバンドの順張り取引で使う2つの形 ボリンジャーバンドにはバンド幅の広がりによって様々な形がありますが、順張り取引では主に以下の2つの形を利用します。 その1:エクスパンション ボリンジャーバンドのエクスパンションとは、上下のバンドが大きく広がった形であり、ボラティリティが高まっていることを表します。 エクスパンションはトレンドの始まりを表すので、エントリーのタイミングとして使います。 またボラティリティが高い限りバンド幅は開き続けるので、トレンドが継続しているのかどうかもエクスパンションで確認できるのです。 ボリンジャーバンドのエクスパンションについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。 ≫ボリンジャーバンドのエクスパンションとは?判断方法やだましへの対処方法を解説! その2:バンドウォーク […]
ボリンジャーバンドを使った取引手法というと、バンドを使った逆張り取引が最もオーソドックスな手法として知られています。
しかし実はボリンジャーバンドは順張り取引に向いているのです。
「ボリンジャーバンドがなぜ順張り取引に向いているのか」
「具体的にどうやって順張りに使えばいいのか教えてほしい」
ボリンジャーバンドの順張り手法と聞くと、上記のような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
結論、ボリンジャーバンドでは順張り取引に役立つトレンドの発生や方向が1つのインジケータで分かるので向いているのです。
この記事では、ボリンジャーバンドの順張り手法について以下の7つの項目で詳しく解説していきます。
- ボリンジャーバンドの基本的な見方
- ボリンジャーバンドは順張り取引に向いている
- ボリンジャーバンドが順張り取引に向いている3つの理由
- ボリンジャーバンドの順張り取引で使う2つの形
- ボリンジャーバンドを使った2つの順張り手法
- ボリンジャーバンドで順張り取引をする際の2つのポイント
- まとめ
ボリンジャーバンドの基本的な見方
ボリンジャーバンドは、中心に表示されている「センターバンド(移動平均線)」と、センターバンドからの価格のばらつき具合を表す「バンド」の2つで構成されています。
そしてバンドには、主に±1σ、±2σ、±3σの6種類があります。
センターバンドでトレンドの方向を見て、バンドで相場のボラティリティやトレンドの発生を確認するという見方がボリンジャーバンドの基本です。
≫ボリンジャーバンドとは?見方やテクニカル分析での使い方を解説!
ボリンジャーバンドは順張り取引に向いている
順張り取引とは、相場のトレンド方向に沿ってポジションを保有する取引手法です。
ボリンジャーバンドは、逆張りでも順張りでも使えるインジケーターであり、バンドを使った逆張り取引が最もオーソドックスな取引手法として知られています。
しかし実はバンドを使った逆張り取引よりも、順張り取引の方がリスクが低いのでトレード初心者には向いているのです。
またボリンジャーバンドの開発者である「ジョン・ボリンジャー」も、ボリンジャーバンドを順張り取引で利用することを推奨しています。
ボリンジャーバンドを使った逆張り手法については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫ボリンジャーバンドを使った逆張り手法を紹介!逆張りが使える状況も解説!
ボリンジャーバンドが順張り取引に向いている3つの理由
ボリンジャーバンドは、以下の3つのことが分かることにより順張り取引に向いています。
- トレンド相場かレンジ相場か
- トレンドの方向
- ボラティリティの高まり
その1:レンド相場かレンジ相場か
ボリンジャーバンドでは、バンドを見ることでレンジ相場であるのかトレンド相場であるのか現状の相場状況を判断できます。
具体的にはレンジ相場ではバンドは平行になり、トレンドが発生するとバンド幅が拡大します。
≫ボリンジャーバンドのエクスパンションとは?判断方法やだましへの対処方法を解説!
バンドが平行になっているレンジ相場を避け、バンドが拡大しているトレンド相場のみで取引を行うことで順張り取引の確度を高められるのです。
トレンドの有無を視覚的に分かりやすく判断できる点が、ボリンジャーバンドが順張り取引に向いている理由の1つです。
その2:トレンドの方向
ボリンジャーバンドではバンドを使ってトレンドの有無を判断できるだけでなく、センターバンドを使ってトレンドの方向も分かります。
ボリンジャーバンドのセンターバンドは移動平均線であり、移動平均線の傾きを見ればトレンドの方向が分かるのです。
トレンドの方向が分かると、買いポジションまたは売りポジションどちらをとればよいのかが明確になります。
≫【テクニカル分析】移動平均線を1本だけ使ったシンプルなトレード手法を解説
その3:ボラティリティの高まり
ボリンジャーバンドのバンドは、価格のばらつきをあらわす統計学の指標「標準偏差」を基に計算されており、σの数値が大きいほど価格のばらつきが大きいことを表します。
バンド内に相場価格が収まる確率は以下のようになっています。
バンド名 | 価格が収まる確率 |
±1σ | 約68.3% |
±2σ | 約95.4% |
±3σ | 約99.7% |
つまり±2σまたは±3σを超えて価格が推移するということは、相当ボラティリティが高まっていることを表します。
またボラティリティが高まるとバンド幅が広がるので、バンド幅の広がりをみることでもボラティリティの高まりが分かります。
ボラティリティが高まった状況で順張り取引をすると、トレンドの波に乗れてより大きな利益を狙えるのです。
ボリンジャーバンドの順張り取引で使う2つの形
ボリンジャーバンドにはバンド幅の広がりによって様々な形がありますが、順張り取引では主に以下の2つの形を利用します。
- エクスパンション
- バンドウォーク
その1:エクスパンション
ボリンジャーバンドのエクスパンションとは、上下のバンドが大きく広がった形であり、ボラティリティが高まっていることを表します。
エクスパンションはトレンドの始まりを表すので、エントリーのタイミングとして使います。
またボラティリティが高い限りバンド幅は開き続けるので、トレンドが継続しているのかどうかもエクスパンションで確認できるのです。
ボリンジャーバンドのエクスパンションについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫ボリンジャーバンドのエクスパンションとは?判断方法やだましへの対処方法を解説!
その2:バンドウォーク
ボリンジャーバンドのバンドウォークとは、2σから3σまたは-2σから-3σの間のバンドに沿って相場価格が推移し続ける形です。
バンドウォークは強いトレンドが発生していること、そしてトレンドが継続する可能性が高いことを表します。
したがってバンドウォークは順張りの押し目買いや、ポジションを保有し続けるかどうかの判断に利用されます。
つまりエクスパンション発生後、広がったバンドに沿って価格が推移し続ける(エクスパンションが発生する)のかどうかを見るというのが順張りの基本的な流れです。
ボリンジャーバンドのバンドウォークについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫ボリンジャーバンドのバンドウォークとは?判断方法やトレードでの活用方法を解説!
ボリンジャーバンドを使った2つの順張り手法
ボリンジャーバンドを使った順張り手法を2つ紹介していきます。
- ±1σバンドのブレイクで順張りエントリー
- エクスパンションの発生で順張り
その1:±1σバンドのブレイクで順張りエントリー
1つ目は、ボリンジャーバンドの±1σバンドを使った順張りエントリーです。±1σバンドを使ったエントリータイミングは以下の通りです。
・買いエントリー:移動平均線より相場価格が上にある状態で、1σバンドを上回ったタイミング
・売りエントリー:移動平均線より相場価格が下にある状態で、-1σバンドを下回ったタイミング
1σバンドを超えるということは、相場にある程度ボラティリティが高まった状態です。
相場価格と移動平均線の位置で買い手と売り手どちらが強いのかを確認した上で、ボラティリティが高まったタイミングでエントリーをします。
決済タイミングは、±2σまたは±3σバンドタッチです。
また買いの場合は移動平均線を下回る、売りの場合は移動平均線を上回った場合に損切りをします。
ボリンジャーバンドの±1σバンドを使った順張りについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
その2:エクスパンションの発生で順張り
2つ目はエクスパンションの発生で順張りエントリーです。
エクスパンションはトレンドの発生を表すので、エクスパンションを確認してから順張りエントリーをします。
またエクスパンション発生時に相場価格とバンドがどのような位置関係になっているかにも注目しましょう。
相場価格が±2σまたは±3σバンドを超えていると、より強いトレンドを期待できます。またそこからバンドウォークが発生するとより大きな利益が狙えるでしょう。
利益確定は、ボリンジャーバンドがボージとなったタイミングまたは移動平均線から乖離しすぎたタイミングで行います。
損切りは、エクスパンション後に相場価格がセンターバンド、または反対方向の1σバンドにタッチしたタイミングです。
±1σバンドを使った取引手法よりもエントリー回数は少なくなるものの、より大きな利益を期待できる取引手法です。
ボリンジャーバンドのボージについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫ボリンジャーバンドのボージとは?見極め方やトレードでの活用方法を解説!
ボリンジャーバンドで順張り取引をする際の2つのポイント
ボリンジャーバンドで順張り取引をする際は、以下の2つのポイントを意識してください。
- トレンド発生までのレンジの長さ
- 複数のインジケーターを組み合わせる
その1:トレンド発生までのレンジの長さ
トレンド発生前のレンジ相場の長さを見ると、トレンド発生時にどれぐらいの強さのトレンドが発生するかが分かります。
レンジ相場とは、多くのトレーダの思惑が入り乱れることで、買い・売り両方のポジションが大量に溜まっている状況です。
したがってレンジ相場の期間が長ければ長いほど、レンジブレイク時に多くのエントリー・損切り注文が殺到するので強いトレンドが発生するのです。
その2:複数のインジケーターを組み合わせる
複数のインジケーターを組み合わせることで、ボリンジャーバンドの順張り取引の精度をさらに高められます。
エントリー時に組み合わせるのがオススメなインジケーターは「移動平均線」です。
ボリンジャーバンドのセンターバンドに加えて、複数の移動平均線を表示することで短期から長期までのトレンド方向が分かります。
短期から長期までのトレンド方向が一致しているとより大きな利益を期待できるのです。
ボリンジャーバンドを順張り取引で使う際の2つの注意点
ボリンジャーバンドを順張り取引で使う際は以下の2点に注意するようにしましょう。
- だましが発生することがある
- 決済タイミングが曖昧
その1:だましが発生することがある
ボリンジャーバンドでは、トレンドが発生したと思ったにもかかわらず急に相場が転換する「だまし」が発生することがあります。
例えば、価格が2σバンドを一時的に超えてエクスパンションが発生したかと思ったら、髭で急に戻されてレンジ相場に逆戻りすることもあるのです。
特に上位足ではレンジ相場なのに、短期足でトレンドが発生しているといった状況でだましは発生しがちです。
したがってエントリー前に上位足で、短期足と同じ方向のトレンドが発生しているのかどうかを確認すれば、だましにかかる可能性を減らせます。
≫【テクニカル分析】移動平均線を使ったマルチタイムフレーム分析を解説
その2:決済タイミングが曖昧
ボリンジャーバンドを使って長期の順張り取引をする際には、決済タイミングがやや曖昧になってしまうことには注意しましょう。
ボージ発生のタイミングや、移動平均線と相場価格が大きく乖離したタイミングでの決済が基本ですが、ある程度主観的な感覚で決済しなければならないのです。
決済タイミングを明確にしたい方は、買われすぎ・売られすぎが分かるオシレーター系指標を組み合わせたり、一時的に止まりそうな価格帯に水平線を引いたりすると良いでしょう。
まとめ
ボリンジャーバンドを使った順張り手法について、ボリンジャーバンドが順張り取引に向いている理由から具体的な取引手法に至るまで詳しく解説しました。
ボリンジャーバンドの順張り手法は、逆張り手法よりもリスクが低く、エントリータイミングも分かりやすいのでトレード初心者にオススメです。
またボリンジャーバンド単体でも取引を完結できますが、複数のインジケーターを組み合わせるとエントリーや決済の精度を高められます。
トレード初心者はまずボリンジャーバンドの順張り手法を身に付けてから、逆張り手法など他の取引方法へ挑戦してみてください。