【テクニカル分析】移動平均線を2本使ったトレード手法を解説
この記事では、テクニカル分析の中でも、移動平均線を2本使ったトレード手法について解説していきます。
「移動平均線を2本使ったトレード手法は?」
「移動平均線を1本だけ使ったトレード手法と何が違うの?」
移動平均線を使ったトレード手法は様々あります。
本サイトでは、移動平均線を1本使った手法や3本使った手法などを紹介していますが、今回は移動平均線を2本使ったトレード手法について解説していきます。
- 移動平均線に関する基礎知識
- 手法①:移動平均線のクロス使ったトレード手法
- 手法②:エントリーと決済で異なる移動平均線を使ったトレード手法
- 移動平均線を1本使ったトレード手法と異なる点
- 移動平均線を2本使ったトレード手法の注意点
≫【テクニカル分析】移動平均線を1本だけ使ったシンプルなトレード手法を解説
移動平均線に関する基礎知識
まずは、今回紹介するトレード手法で重要となる、以下2つの移動平均線に関する基礎知識をおさらいしていきます。
- ゴールデンクロス
- デッドクロス
移動平均線については以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
≫【テクニカル分析】移動平均線とは?種類・活用法をわかりやすく解説
ゴールデンクロス
ゴールデンクロスとは、短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に突き抜けることを言います。
ゴールデンクロスは、短期的な平均売買価格が長期的な平均売買価格を上回ってきていることを示唆しているので、買いシグナルとして使われることが多いです。
ゴールデンクロスについては、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
≫【テクニカル分析】移動平均線のゴールデンクロスを徹底解説!
デッドクロス
デッドクロスとは、短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下に突き抜けることを言います。
デッドクロスは、短期的な平均売買価格が長期的な平均売買価格を下回って来ていることを示唆しているので、売りシグナルとして使われることが多いです。
デッドクロスについては、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
手法①:移動平均線のクロスを使ったトレード手法
では本記事の本題となる、移動平均線を2本使ったトレード手法を解説していきます。
1つ目に紹介する手法は、移動平均線のゴールデンクロスとデッドクロスを利用した手法です。
- STEP①:異なる期間の移動平均線を2本表示させる
- STEP②:ゴールデンクロス/デッドクロスを確認してエントリー
- STEP③:ゴールデンクロス/デッドクロスを確認して決済
STEP①:異なる期間の移動平均線を2本表示させる
まずはチャートに異なる期間の移動平均線を2本表示させます。
移動平均線の長さ | 頻繁に使用される移動平均線の期間 |
---|---|
短期の移動平均線 | 5、14、20、21、25 |
中期の移動平均線 | 50、75 |
長期の移動平均線 | 100、200 |
移動平均線の期間設定は自由ですが、参考までに頻繁に使用される移動平均線の期間を上記に示しておきます。
ここでは、25SMA(単純移動平均線)と50SMA(単純移動平均線)を使用します。
単純移動平均線については、以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。
≫【テクニカル分析】単純移動平均線(SMA)とは?利用方法をわかりやすく徹底解説
STEP②:ゴールデンクロス/デッドクロスを確認してエントリー
25SMAと50SMAのゴールデンクロスが発生したら、買いエントリーを行います。
一方で25SMAと50SMAのデッドクロスが発生したら、売りエントリーを行います。
上図では、ゴールデンクロスが発生したタイミングで、ローソク足が大きく上昇しているのが分かります。
STEP③:ゴールデンクロス/デッドクロスを確認して決済
決済を行うタイミングは、エントリーの時とは反対のクロスが発生した時です。
ゴールデンクロスで買いエントリーをしている場合は、デッドクロスで決済を行います。
一方でデッドクロスで売りエントリーをしている場合は、ゴールデンクロスで決済を行います。
トレード手法の注意点
以上がトレード手法の概要ですが、注意点があります。
ゴールデンクロスやデッドクロスでトレードを行う場合は、長期の移動平均線の方向を確認する必要があります。
上図は先ほどの一連のトレードを表示したものですが、途中で短期の移動平均線が長期の移動平均線を下抜けしているタイミングがあります。
しかし正確に言えば、長期の移動平均線がトレンド方向を向いたままなので、これはデッドクロスとは判定しません。
ゴールデンクロス/デッドクロスとして判断するのは、長期の移動平均線がトレンド方向を向いていない場合なので、注意しましょう。
手法②:エントリーと決済で異なる移動平均線を使ったトレード手法
続いて、先ほどとは異なる移動平均線のトレード手法を解説していきます。
このトレード手法は別の記事で解説した、「1本の移動平均線を使ったトレード手法」を応用したものです。
- STEP①:異なる期間の移動平均線を2本表示させる
- STEP②:長期の移動平均線で反発したらエントリー
- STEP③:短期の移動平均線に割り込んだら決済
STEP①:異なる期間の移動平均線を2本表示させる
まずは先ほどと同様に、2つの異なる移動平均線を表示させます。
このトレード手法でも、25SMAと50SMAを採用します。
長期の移動平均線である50SMAはエントリー用の移動平均線として使用し、短期の移動平均線である25SMAは決済用の移動平均線として使用します。
STEP②:長期の移動平均線で反発したらエントリー
エントリーでは、移動平均線の「支持線・抵抗線として機能」を利用します。
以下の記事では、移動平均線の機能について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
≫移動平均線のおすすめ設定を取引スタイル・手法別に紹介!注意点も解説
このトレード手法では、ローソク足が長期の移動平均線で反発したときにエントリーを行います。
買いエントリーの場合は、
- 長期の移動平均線が上向き
- ローソク足が陽線
- ローソク足の終値が移動平均線よりも上に位置している
以上の条件を満たした場合に、ローソク足が移動平均線で反発したとみなし、エントリーを行います。
売りエントリーの場合は、
- 長期の移動平均線が下向き
- ローソク足が陰線
- ローソク足の終値が移動平均線よりも下に位置している
以上の条件を満たした場合に、ローソク足が移動平均線で反発したとみなし、エントリーを行います。
STEP③:短期の移動平均線に割り込んだら決済
決済を行うのは、ローソク足の終値が決済用の短期の移動平均線に割り込んだタイミングです。
なるべく利幅を確保するために、決済用の移動平均線はエントリー用の移動平均線よりも短い期間を設定しています。
買いエントリーを行っており、売り決済を行う場合は「ローソク足の終値が移動平均線を下回る」ことが条件です。
売りエントリーを行っており、買い決済を行う場合は「ローソク足の終値が移動平均線を上回る」ことが条件です。
トレード手法の注意点
以上がトレード手法の概要ですが、注意点もあります。
このトレード手法の狙いは、広い値幅を確保することなので、決済タイミングを意図的に早めています。
したがって、上図のように、大きな値動きを捉え損ねてしまうことがあります。
まとめ
ここまで、移動平均線を2本使ったトレード手法を解説してきました。
本記事の要点は以下の2つです。
- 移動平均線を2本使ったトレードの1つ目は、ゴールデンクロス/デッドクロスを使用したもの
- 移動平均線を2本使ったトレードの2つ目は、エントリーと決済の移動平均線を使い分けたもの