ボリンジャーバンドで覚えておくべき4つの形とは?トレードの活用方法も紹介!
この記事では、ボリンジャーバンドの4パターンの形について解説していきます。
ボリンジャーバンドは「移動平均線」と、移動平均線と相場価格のボラティリティに基づいて計算された「バンド」の2つで構成されたトレンド系インジケーターです。
バンドは相場価格の変動によって、広がったり閉じたりするので、バンドの形をみることで視覚的に分かりやすく相場状況を把握できます。
「ボリンジャーバンドの形には何種類あるのか」
「ボリンジャーバンドの形は実際にどのように相場で現れるのか」
ボリンジャーバンドの形と聞くと上記のような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
結論として、ボリンジャーバンドの形には4種類あり、4種類の形は順に相場で現れます。
この記事では、ボリンジャーバンドの形について、実際にどのようにトレードで利用できるのかも含めて、以下の6つの項目で詳しく解説していきます。
- ボリンジャーバンドの形を見る意味
- ボリンジャーバンドで覚えておくべき4つの形
- ボリンジャーバンドの形は相場でどのように現れるのか
- ボリンジャーバンドの形をトレードで利用する方法
- ボリンジャーバンドで形を確認する際の注意点
- まとめ
ボリンジャーバンドの形を見る意味
ボリンジャーバンドは、「移動平均線」と「バンド」で構成されており、トレンドだけでなく相場価格のボラティリティを視覚的に分かりやすく確認できるインジケーターです。
中でもバンドは、相場価格のボラティリティに基づいて計算されており、相場が変動するとバンドの形も変化します。
例えば、相場価格が急激に変動すればバンドは広がり、逆に変動が少なければ収束します。
こうしたバンドの形を見ることで、トレンドが開始または終了する予兆を直感的に理解できるようになるのです。
ボリンジャーバンドの計算方法については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
ボリンジャーバンドで覚えておくべき4つの形
ボリンジャーバンドをトレードで利用する際には、基礎となる以下の4つの形を覚えておきましょう。
- スクイーズ
- エクスパンション
- バンドウォーク
- ボージ
それぞれの形について詳しく説明していきます。
その1:スクイーズ
ボリンジャーバンドのスクイーズとは、バンドが収縮した形であり、ボラティリティが低い相場、つまりレンジ相場で発生します。
スクイーズが発生すると、バンドを上下に行き来するように動き、方向感が乏しい状態が続きます。
したがって、今後価格が変動するまで待機しておくべきであるというトレードサインになります。
ボリンジャーバンドのスクイーズについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
その2:エクスパンション
ボリンジャーバンドのエクスパンションとは、上下のバンドが大きく広がった形であり、スクイーズとは逆にボラティリティが高い相場で発生します。
エクスパンションの発生は価格の変動が活発化しており、トレンドが強まっていることを意味します。
したがってエクスパンションは、トレンド方向に順張りするためのトレードサインなのです。
ボリンジャーバンドのエクスパンションについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
その3:バンドウォーク
ボリンジャーバンドのバンドウォークとは、1σから2σまたは-1σから-2σの間のバンドに沿って相場価格が推移し続ける形です。
バンドウォークは強いトレンドが発生していることと、トレンドが継続する可能性が高いことを表します。
したがってバンドウォークが確認できた場合、トレーダーは順張りの押し目買いを行うか、ポジションを保有し続けるという判断ができます。
ボリンジャーバンドのバンドウォークについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
その4:ボージ
ボリンジャーバンドのボージとは、エクスパンション中にバンドが最大限拡大した形を指します。
ボージは相場価格が最大限に変動しきっていることを表しており、これからトレンド転換する可能性が高いと判断できます。
したがってボージが確認できた場合は、ポジションの決済を行うとよいでしょう。
ボリンジャーバンドのボージについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
ボリンジャーバンドの形は相場でどのように現れるのか
為替相場はレンジ相場とトレンド相場の2つで成り立っています。
つまりボリンジャーバンドの形でいうと、スクイーズとエクスパンションが繰り返されているのです。
まず、レンジ相場ではスクイーズが発生します。この時、相場は方向感が乏しく横ばいに推移している状態であり、バンドは収束しています。
レンジ相場からトレンド相場へ変わると、エクスパンションが発生します。トレンド発生によって相場のボラティリティが高まることでバンドが拡大するのです。
エクスパンションからさらに強いトレンドが発生したり、トレンドが継続したりする場合は、バンドウォークが確認できます。
そしてトレンドのピーク時には「ボージ」が発生し、バンドが最大限拡大します。ボージ発生後トレンドが終了すると、再びスクイーズの状態となります。
このように相場では、スクイーズ、エクスパンション、バンドウォーク、ボージの順にボリンジャーバンドの形が変化します。
ボリンジャーバンドの形を見極めるのに役立つ「BandWidth」
スクイーズとエクスパンションの大きな違いは、バンド幅が小さく閉じているか大きく開いているかです。
そこでバンド幅を数値で表してくれるインジケーター「BandWidth」を利用することで、数値上でもボリンジャーバンドの形を見極められます。
BandWidthでは、以下の計算式でバンド幅が計算されます。
BandWidth =(+2σバンドの値--2σバンドの値)÷ 移動平均線の値
そして計算結果は、サブウィンドウに1本の曲線で表示されます。
BandWidthを利用すると、値が低い場合はスクイーズ、高い場合はエクスパンションが発生していると判断できます。
また過去のトレンド転換におけるBandWidthの値を確認することで、ボリンジャーバンドだけでは判断しづらい、ボージが発生しているかどうかも見極めやすくなるのです。
ボリンジャーバンドの形をトレードで利用する方法
ボリンジャーバンドの形を実際のトレードでどのように利用できるのか、以下の3つの方法をみていきましょう。
- スクイーズからエクスパンション発生を狙った順張りトレード
- スクイーズを利用した逆張りトレード
- ボージを狙った逆張りトレード
その1:スクイーズからエクスパンションの発生を狙った順張りトレード
ボリンジャーバンドの形がスクイーズからエクスパンションへ変化した際、トレンド方向に順張りをすることで、トレンドの初期からポジションを保有できます。
またそこからバンドウォークが発生すると、より強いトレンドが発生していると判断できるので、ポジションを保有し続けることが可能です。
ポジション決済はトレンド転換のサインであるボージが確認できたら行うと良いでしょう。
その2:スクイーズを利用した逆張りトレード
スクイーズはレンジ相場で現れる形であるので、スクイーズの±2σバンドを目安にしてレンジ内で逆張りトレードができます。
ボリンジャーバンドでは±2σバンド内に価格が収まる確率は計算上約95.4%と高く、±2σバンド付近では相場価格が転換する可能性が高いのです。
ポジションの決済は中央の移動平均線にタッチ、または反対の2σバンドタッチで行います。
しかしバンド内に価格が収まる確率は、あくまで過去の価格情報をもとに算出されたものであるため、必ず逆張りが成功するとは限らないことには注意しましょう。
その3:ボージを狙った逆張りトレード
ボージはトレンド転換のシグナルとしてポジションの決済に利用できますが、逆張りトレードのサインとしても利用できます。
具体的には、ボージの発生を見て、トレンド方向と逆方向の新規ポジションを保有し、中央の移動平均線にタッチするとポジションを決済します。
トレンドがあまりにも強い場合、逆張り取引は大きな損失を被る可能性があるので、リスク管理をしっかり行うようにしましょう。
ボリンジャーバンドで形を確認する際の注意点
ボリンジャーバンドの形を確認することで簡単に相場状況を確認できますが、以下の2つの点には注意しましょう。
- ボリンジャーバンドの形のみを信用しすぎない
- ボリンジャーバンドの形にすぐに飛びつかない
その1:ボリンジャーバンドの形のみを信用しすぎない
ボリンジャーバンドの形は視覚的に分かりやすいトレードサインですが、形のみを信用しすぎないようにしましょう。
相場は常にパターン通りに変動する訳ではなく、時には予測できないようなランダムな動きをする場合もあります。
ランダムな値動きが発生した場合、バンドの形もランダムに変化するので、時にはだましも起こりうるのです。
他のインジケーターと組み合わせたり、複数の時間足を確認したりして複合的に相場分析を行うことで、ボリンジャーバンドを利用したトレードの精度をより高められます。
ボリンジャーバンドの形にすぐに飛びつかない
ボリンジャーバンドの形が確認できたからといって、すぐに飛びついてポジションを保有しないようにしましょう。
例えばエクスパンションが発生したとしても、必ずバンドウォークになるとは限りません。価格変動が一時的なものであれば、すぐにスクイーズに変化してしまうのです。
したがってエクスパンションが発生したからといって、すぐにポジションを保有してしまうと高値掴みや底値売りをしてしまう可能性が高くなるのです。
したがってバンドの形だけでなく、ローソク足の終値が2σを超えるのかなど、相場価格の状態も確認するようにしましょう。
まとめ
ボリンジャーバンドについて、覚えておくべき4つの形からそれぞれの形がどのように相場で現れるのか、また実際のトレードでの利用方法に至るまで詳しく解説しました。
相場は基本的にスクイーズとボリンジャーバンド2つの形で成り立っています。
したがってスクイーズとボリンジャーバンドさえ確認できるようになれば、相場の状況はある程度把握できているといえます。
加えてバンドウォークやボージを見分けられるようになると、トレンドの強さやトレンド転換のタイミングまでもが分かるようになります。
ボリンジャーバンドの形は、視覚的に分かりやすいトレードサインですが、確認できる形が100%正しいサインではないという点には注意です。
それぞれの形を理解したうえで、他のインジケーターや分析方法を組み合わせられるとよりトレード戦略の幅を広げられるでしょう。