一目均衡表の転換線とは?特徴や計算方法、テクニカル分析での使い方を解説!

一目均衡表とは、日本人の株式評論家「細田悟一」によって開発された日本発のトレンド系インジケーターであり、転換線を始めとした4つの要素から構成されています。 一目均衡表にはさまざまなトレードシグナルがありますが、転換線は一目均衡表の重要な役割であるトレンドの方向性を確認するために非常に重要です。 「一目均衡表の転換線ってどういう仕組みなのか?計算式や見方は?」 「実際に一目均衡表の転換線をどうやって相場分析につかったらいいのか?」 一目均衡表の転換線と聞くと上記のような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。 結論として、一目均衡表の転換線は過去9日間における相場水準を表しており、転換線が上を向いていると上昇トレンド、下を向いていると下落トレンドだと分かります。 また転換線と基準線のクロスを利用した売買サインの把握も一目均衡表を利用した相場分析では頻繁に活用されます。 この記事では、一目均衡表の転換線について、特徴や計算方法、相場分析で実際に利用する方法に至る以下の7つの項目で詳しく解説していきます。 一目均衡表とは? 一目均衡表とは、日本人の株式評論家「細田悟一」によって開発された日本発のトレンド系インジケーターです。 一目均衡表は、主に以下の4つの要素から成り立っており、それぞれ要素の向きやローソク足との位置関係を相場分析に利用できます。 また一目均衡表は「時間論」、「波動論」、「水準論」という3つの理論に基づいて使われるインジケーターでもあります。 例えば水準論とは、E計算値やN計算値といった計算方法を用いて相場の上値や下値を予測することができる理論です。 一目均衡表については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。 一目均衡表の転換線とは 一目均衡表の転換線とは、過去9日間における最高値と最安値の平均を1本のラインで結んで表示したものです。 過去9日間とは、金融市場の約2週間における営業日にあたるので、過去2週間における相場状況を表しているラインだと考えると分かりやすいでしょう。 同様に最高値と最安値の平均を結んだラインとして「基準線」がありますが、基準線は過去26日間(約1ヵ月の営業日)における高値・安値の平均線である点が異なります。 つまり一目均衡表の転換線は短期的、基準線は長期的な相場の方向を表しているということになります。 一目均衡表の基準線については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。 一目均衡表の転換線の計算方法 一目均衡表の転換線を表示するための計算式は、以下の通りです。 転換線=(過去9日間における最高値+過去9日間における最安値)÷ 2 計算式では、過去9日間における最高値(最安値)と表示されていますが、当日を含めた過去9日間における値を利用することは覚えておきましょう。 つまり計算式から、転換線は当日を含めた過去9日間における中心の値を1つにつないだラインであるということがわかります。 ここで単純移動平均線の計算式も見てみましょう。 単純移動平均線=(当日の終値+1本前の終値+・・・+(N-1)本目の終値)÷N 計算に利用する要素は異なるものの、転換線と単純移動平均線の計算式が非常に似ていることが分かります。 ≫単純移動平均線(SMA)とは?利用方法をわかりやすく徹底解説 したがって転換線は、過去9日間(短期間)における相場の水準(中心値)を表した移動平均線であると考えてください。 一目均衡表の転換線の見方 一目均衡表の転換線は、一目均衡表の構成要素の中でも比較的短期間における相場水準を表した移動平均線のようなものです。 したがって移動平均線と同様に向きやローソク足との位置関係をみて、転換線を相場分析に利用します。 見方はシンプルで、転換線が上を向いていると短期上昇トレンド、下を向いていると短期下落トレンドを表します。 そしてローソク足が転換線よりも上にあると短期的には買い手有利、下にあると短期的には売り手有利と判断できるのです。 またローソク足が転換線上にある場合は、短期的な相場において買い手と売り手が拮抗している状態です。 一目均衡表の転換線を使った相場分析方法 それでは一目均衡表の転換線を実際に相場分析でどのように利用できるのか、以下の2つの状況をみていきましょう。 その1:強い上昇(下落)相場の場合 上昇(下落)トレンドが発生すると、ローソク足、転換線、基準線、雲の順(下落相場の場合は逆)に一目均衡表の各要素が並びます。 強いトレンドが発生した場合、ローソク足は短期のトレンド状況を表す転換線を下回る(上回る)ことがありません。 たとえ一時的に相場が下落(上昇)したとしても、転換線で反発します。 したがって強いトレンド下では、転換線をサポートやレジスタンスとしてエントリーの目安とすることができるのです。 その2:トレンドが弱まってきた場合 ローソク足、転換線、基準線、雲の順(下落相場の場合は逆)に一目均衡表の各要素が並んではいるものの、相場のトレンドが弱まってきた場合は見方は異なります。 相場のトレンドが弱まるにつれて、転換線はサポートやレジスタンスとして機能しなくな り、一時的に相場価格が転換線を上回ったり下回ったりすることがあるのです。 トレンドが弱まった場合は、転換線ではなく、転換線と基準線の間または基準線自体をサポートやレジスタンスとして利用するようにしましょう。 またさらにトレンドが弱まった場合は、雲をサポートやレジスタンスとして利用するといったように、各要素の並び順とローソク足の位置関係でトレンドの強さを判断しましょう。 一目均衡表の雲については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。 ≫一目均衡表の雲とは?ねじれの見方やテクニカル分析での使い方を解説! 一目均衡表の転換線と基準線のクロスにも注目する 一目均衡表の転換線単体だけでなく、基準線とのクロスも相場分析では活用されます。 基準線は、過去26日間(中期間)における相場の水準を表した移動平均線なので、異なる時間軸の移動平均線を利用するように、以下のクロスが売買サインとなります。 […]

一目均衡表とは、日本人の株式評論家「細田悟一」によって開発された日本発のトレンド系インジケーターであり、転換線を始めとした4つの要素から構成されています。

一目均衡表にはさまざまなトレードシグナルがありますが、転換線は一目均衡表の重要な役割であるトレンドの方向性を確認するために非常に重要です。

「一目均衡表の転換線ってどういう仕組みなのか?計算式や見方は?」

「実際に一目均衡表の転換線をどうやって相場分析につかったらいいのか?」

一目均衡表の転換線と聞くと上記のような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

結論として、一目均衡表の転換線は過去9日間における相場水準を表しており、転換線が上を向いていると上昇トレンド、下を向いていると下落トレンドだと分かります。

また転換線と基準線のクロスを利用した売買サインの把握も一目均衡表を利用した相場分析では頻繁に活用されます。

この記事では、一目均衡表の転換線について、特徴や計算方法、相場分析で実際に利用する方法に至る以下の7つの項目で詳しく解説していきます。

  • 一目均衡表とは?
  • 一目均衡表の転換線とは
  • 一目均衡表の転換線の計算方法
  • 一目均衡表の転換線の見方
  • 一目均衡表の転換線を使った相場分析方法
  • 一目均衡表の転換線と基準線のクロスにも注目する
  • 一目均衡表の転換線を利用する際の2つの注意点
  • まとめ

一目均衡表とは?

一目均衡表とは、日本人の株式評論家「細田悟一」によって開発された日本発のトレンド系インジケーターです。

一目均衡表は、主に以下の4つの要素から成り立っており、それぞれ要素の向きやローソク足との位置関係を相場分析に利用できます。

  • 転換線:過去26日間の最高値と最安値の平均を表す
  • 基準線:過去9日間の最高値と最安値の平均を表す
  • 先行スパン:先行スパン1と先行スパン2の2種類が存在する
  • 遅行線(遅行スパン):当日の終値を26日前に遅らせて表示させたライン

また一目均衡表は「時間論」、「波動論」、「水準論」という3つの理論に基づいて使われるインジケーターでもあります。

例えば水準論とは、E計算値やN計算値といった計算方法を用いて相場の上値や下値を予測することができる理論です。

一目均衡表については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

一目均衡表の転換線とは

一目均衡表の転換線とは、過去9日間における最高値と最安値の平均を1本のラインで結んで表示したものです。

過去9日間とは、金融市場の約2週間における営業日にあたるので、過去2週間における相場状況を表しているラインだと考えると分かりやすいでしょう。

同様に最高値と最安値の平均を結んだラインとして「基準線」がありますが、基準線は過去26日間(約1ヵ月の営業日)における高値・安値の平均線である点が異なります。

つまり一目均衡表の転換線は短期的、基準線は長期的な相場の方向を表しているということになります。

一目均衡表の基準線については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

一目均衡表の転換線の計算方法

一目均衡表の転換線を表示するための計算式は、以下の通りです。

転換線=(過去9日間における最高値+過去9日間における最安値)÷ 2

計算式では、過去9日間における最高値(最安値)と表示されていますが、当日を含めた過去9日間における値を利用することは覚えておきましょう。

つまり計算式から、転換線は当日を含めた過去9日間における中心の値を1つにつないだラインであるということがわかります。

ここで単純移動平均線の計算式も見てみましょう。

単純移動平均線=(当日の終値+1本前の終値+・・・+(N-1)本目の終値)÷N

計算に利用する要素は異なるものの、転換線と単純移動平均線の計算式が非常に似ていることが分かります。

単純移動平均線(SMA)とは?利用方法をわかりやすく徹底解説

したがって転換線は、過去9日間(短期間)における相場の水準(中心値)を表した移動平均線であると考えてください。

一目均衡表の転換線の見方

一目均衡表の転換線は、一目均衡表の構成要素の中でも比較的短期間における相場水準を表した移動平均線のようなものです。

したがって移動平均線と同様に向きやローソク足との位置関係をみて、転換線を相場分析に利用します。

見方はシンプルで、転換線が上を向いていると短期上昇トレンド、下を向いていると短期下落トレンドを表します。

そしてローソク足が転換線よりも上にあると短期的には買い手有利、下にあると短期的には売り手有利と判断できるのです。

またローソク足が転換線上にある場合は、短期的な相場において買い手と売り手が拮抗している状態です。

一目均衡表の転換線を使った相場分析方法

それでは一目均衡表の転換線を実際に相場分析でどのように利用できるのか、以下の2つの状況をみていきましょう。

  • 強い上昇相場の場合
  • トレンドが弱まってきた場合

その1:強い上昇(下落)相場の場合

上昇(下落)トレンドが発生すると、ローソク足、転換線、基準線、雲の順(下落相場の場合は逆)に一目均衡表の各要素が並びます。

強いトレンドが発生した場合、ローソク足は短期のトレンド状況を表す転換線を下回る(上回る)ことがありません。

たとえ一時的に相場が下落(上昇)したとしても、転換線で反発します。

したがって強いトレンド下では、転換線をサポートやレジスタンスとしてエントリーの目安とすることができるのです。

その2:トレンドが弱まってきた場合

ローソク足、転換線、基準線、雲の順(下落相場の場合は逆)に一目均衡表の各要素が並んではいるものの、相場のトレンドが弱まってきた場合は見方は異なります。

相場のトレンドが弱まるにつれて、転換線はサポートやレジスタンスとして機能しなくな

り、一時的に相場価格が転換線を上回ったり下回ったりすることがあるのです。

トレンドが弱まった場合は、転換線ではなく、転換線と基準線の間または基準線自体をサポートやレジスタンスとして利用するようにしましょう。

またさらにトレンドが弱まった場合は、雲をサポートやレジスタンスとして利用するといったように、各要素の並び順とローソク足の位置関係でトレンドの強さを判断しましょう。

一目均衡表の雲については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

一目均衡表の雲とは?ねじれの見方やテクニカル分析での使い方を解説!

一目均衡表の転換線と基準線のクロスにも注目する

一目均衡表の転換線単体だけでなく、基準線とのクロスも相場分析では活用されます。

基準線は、過去26日間(中期間)における相場の水準を表した移動平均線なので、異なる時間軸の移動平均線を利用するように、以下のクロスが売買サインとなります。

  • 転換線が基準線を上回る(ゴールデンクロス):買いの売買サイン
  • 転換線が基準線を下回る(デッドクロス):売りの売買サイン

上記のようなクロスが発生したのちに、ローソク足が一目均衡表の各要素を上回るまたは下回るように推移するとトレンドが発生していると判断できるのです。

また転換線と基準線のクロスに加えて、遅行スパンとローソク足やローソク足と雲の位置関係の3つの条件を満たす売買サインは「三役好転(三役逆転)」と呼ばれます。

三役好転(三役逆転)は、一目均衡表を利用したテクニカル分析の中でも、最も強い売買サインとなります。

三役好転と三役逆転については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

一目均衡表の転換線を利用する際の2つの注意点

一目均衡表の転換線をテクニカル分析や実際のトレードで利用する際には、以下の2つの点に注意するようにしましょう。

  • サポートやレジスタンスとして過信しすぎない
  • だましが発生する可能性がある

その1:サポートやレジスタンスとして過信しすぎない

強いトレンドが発生した場合、ローソク足は転換線をサポートやレジスタンスとして機能します。

しかし経済指標の発表前後のように相場のボラティリティが高くなると、突発的な値動きで瞬間的に転換線を下回ったり、上回ったりすることがあるのです。

転換線は基本的に相場における短期トレンドを見分けるために利用することがオススメです。

サポートやレジスタンスとして転換線を利用する際は、それほど過信しすぎることなく、あくまでも目安として利用するようにしましょう。

また多くのトレーダーに意識されていそうな水平線が転換線付近にあるかどうかを確認するとよいでしょう。

その2:だましが発生する可能性がある

一目均衡表の転換線は短期移動平均線のように使えるので、トレンドの方向性の見極めや基準線とのクロスをトレードに利用できます。

しかし基準線と転換線がゴールデンクロスした後に相場が下落を始めたり、デッドクロスの後に上昇を始めたりするなどの「だまし」が発生する可能性があります。

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一目均衡表単体を利用して、だましを事前に見極めることは非常に困難ですが、しっかりと損切りを行うことさえできれば次のトレードにつなげることが可能です。

だましをなるべく避けたいという方は、一目均衡表では分からない相場の過熱感が分かるオシレーター系インジケーターと組み合わせて活用するようにしましょう。

まとめ

一目均衡表の転換線について、概要や計算方法、見方、相場分析で実際に利用する方法に至るまで詳しく解説してきました。

一目均衡表の転換線は過去9日間における相場の水準を表すラインであり、短期移動平均線のように利用できるため、トレード初心者でも簡単にトレードに取り入れられます。

また中期のトレンドを把握できる基準線とのクロスも見ることで、売買サインがより明確になります。

しかし一目均衡表の基準線を中心とした分析だけでは信憑性がそれほど高くないので、一目均衡表の他の指標と組み合わせたり、インジケーターを複数表示したりするのが重要です。

一目均衡表の基準線をトレードに取り入れるためにも、雲や遅行線など一目均衡表を構成する他の要素に関する知識を深めるようにしましょう。

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