手法よりも重要!トレードの資金管理方法を徹底解説!
この記事ではトレードにおける資金管理について解説していきます。
「なぜトレードで資金管理が重要なのか」
「資金管理とは具体的に何をすればいいのか」
トレードの資金管理と聞くと上記のような疑問を感じる方も多いのではないでしょうか。
トレードの資金管理とは、いわばトレードにおけるお金の管理であり、リスクを最小限に抑えるために重要です。
この記事ではトレードの資金管理の重要性や具体的な資金管理方法について以下の6つの項目で詳しく解説していきます。
- トレードの資金管理とは?
- トレードにおいて資金管理が大切だといわれる3つの理由
- トレードの資金管理で重要な考え方
- 具体的な4つの資金管理方法
- トレードで資金管理ができない人に共通する3つの特徴
- トレードで資金管理をする際の注意点
トレードの資金管理とは?
トレードの資金管理とは、その名の通りトレードで使う投資資金を管理すること、つまりトレードにおける「お金の管理」です。
トレードでは、利益が出たり、損失が出たりと取引ごとにお金が頻繁に動きます。
どれくらいの利益、損失が発生しているのかをその都度しっかりと把握していないと、気が付かないうちに損失が利益を上回るという事態になりかねません。
したがってトレードを長期的に成功させていくためには、資金管理は重要であるとされているのです。
≫デイトレードは特に資金管理が重要!デイトレードで活用できる資金管理方法を紹介!
トレードにおいて資金管理が大切だといわれる3つの理由
トレードを始めるとまず勝てる手法選びに目が行きがちです。
しかし「トレードは資金管理だけで勝てる」といわれているほど、トレードにおいて資金管理は手法選びと同等、またはそれ以上に大切だといわれています。
資金管理が大切だといわれる理由として、以下の3つが挙げられます。
- 勝率100%のトレードはあり得ない
- トレードを安定させるため
- 予想外の事態に対応するため
それぞれの理由について詳しく解説していきます。
理由1:勝率100%のトレードはあり得ないから
どのようなトレーダーであっても100%の勝率でトレードを続けられることはあり得ません。
一時的に勝ち続けることはあっても、長期的には必ず損失を被る可能性があるため、資金管理をして損失を利益以下に抑えることが重要なのです。
例えば100回トレードをして、たとえ99回連続で利益を得たとしても、最後の1回の負けトレードで全ての利益または投資資金を失っては意味がありません。
したがってトレードでは、資金管理をして損失を利益以下に抑え、長期的な目線を持ってトータルで勝つのを狙うことこそが勝率よりもはるかに重要なのです。
理由2:トレードを安定させるため
長期的に安定したトレードをするために資金管理は非常に役立ちます。
まずトレードの利益の安定性は、勝率とリスクリワード(利益と損失の割合)の2つの視点で考える必要があります。
勝率の安定性は、手法を確立することで上げられますが、リスクリワードの安定性は手法だけではカバーしきれないため、資金管理が必要なのです。
≫トレードにおけるリスクリワードの重要性|計算方法や理想の値
確立した手法であっても、手法の効果を最大限発揮して期待値の高い、安定したトレードを続けていくためには、ある程度取引回数を積む必要があります。
したがって資金管理を行って、損失を抑えながら試行回数を積むことで、よりトレードの安定性を高めることができます。
そして長期的にトレードを安定して続けていくためには、精神を安定させる必要があります。
感情的なトレードは思わぬ損失を招く可能性があるため、常に精神を安定させて冷静な判断を続けていかなければなりません。
資金管理を行って、損失を常に限定しておくことで、感情的なトレードを引き起こすことを防止できます。
理由3:予想外の事態に対応するため
相場での予想外の事態に対応するため、資金管理が大切です。
相場では情勢の悪化や政策方針の転換など、トレーダーがコントロールできない要因が存在するため、トレードには常に予想外の事態が発生する可能性があります。
例えばフラッシュクラッシュやコロナ経済による金融商品の暴落は、トレーダーがコントロールできない、予想困難な相場変動として記憶に新しい方も多いのではないでしょうか。
≫テクニカル分析とファンダメンタル分析どっちを使うべき?使い分け方を解説!
予想外の事態によって相場が思わぬ方向に動いた場合、資金管理を行っていれば、損失を最小限に抑えることができます。
相場には常に予想外の事態が発生する可能性があるため、損失を最小限に抑え、リスクリワードを高めるためには、資金管理が必要不可欠なのです。
トレードの資金管理で重要な考え方
トレードにおいて資金管理が大切である理由を詳しく解説してきました。
ここでは、実際にどのようにして資金管理を行えばよいのか、その考え方について解説していきます。
- 余剰資金でトレードを行う
- 1トレードの損失額を事前に決める
- 資金管理ルールを守る
その1:余剰資金でトレードを行う
トレードには余剰資金を使うようにしましょう。
特にトレードをこれから始めようという方は、まずは少額からトレードを始めることがオススメです。
トレードでは、何度も取引を行って成功や失敗から学ぶことが大切です。
いきなり大きな金額で始めて、大きな損失を抱えてしまうと、何度も取引を繰り返せず、トレードから学ぶことすらできません。
自分の取引スタイルや適切な手法、リスクの許容度を知るためにも、トレードは余剰資金で行って、何度も取引を行う必要があるのです。
一般的に資産の2割〜3割程度がトレード資金として最適であるといわれています。
その2:1トレードの損失額を事前に決める
トレードを行う際は、事前に1度のトレードで許容できる損失額を決めておき、トレードで発生しうる損失額を限定しておくことが重要です。
トレードは繰り返し何度も取引を行うため、事前に損失額を限定しておくことで、継続的に試行回数を重ねることができます。
また損失額を事前に決めておくことは、心理的な負担を軽減することにも役立ちます。
トレードでは常に不確実性が伴いますが、1回のトレードでの損失を限定することで、冷静な判断が可能になるのです。
トレードの世界では、「2%ルール」というルールがあり、1度の損失額の目安がトレード資金の2%が目安だといわれています。
≫資金管理の2%ルールとは?利用するメリットや実践方法を解説!
その3:資金管理ルールを守る
トレードの資金管理を行う際、一度決めたルールは必ず守るようにしましょう。
例えば、事前に1トレードの損失額を決めたら、損切りラインはずらさずに必ず守るようにしましょう。
リスクの許容度や適切な資金管理方法は各々異なるため、何度もトレードを繰り返していって、自分なりのルールを探してみることがオススメです。
≫トレードで成功する秘訣はトレードルールを守ること|それでも守れない原因は?
具体的な4つの資金管理方法
では、資金管理で重要な考え方に触れたところで、実際に具体的な資金管理法についてみていきましょう。
- マーチンゲール法
- 逆マーチンゲール法
- ラリー・ウィリアムズの資金管理法
- ラルフ・ビンスの資金管理法
マーチンゲール法
マーチンゲール法は、トレードで損切りするたびに取引数量を2倍に増やす資金管理方法です。
最初の損失を一度の勝利で取り戻すことが目的であり、初心者にも理解しやすい特徴があります。
しかし、無限に資金が必要であり、利益が残りにくいというデメリットもあります。
リスクリワードレシオを考慮し、トレード資金を小さく設定し、許容できる連敗回数を決めるなどのコツを持つ必要があります。
また、マーチンゲール法だけではトレードの成功は難しいため、他の資金管理方法と組み合わせることが重要です。
逆マーチンゲール法
逆マーチンゲール法は資金管理方法の一つで、マーチンゲール法とは逆の仕組みを取り入れたものです。
マーチンゲール法では負ける度に取引数量を2倍に増やし、逆マーチンゲール法では勝つ度に取引数量を2倍に増やします。
逆マーチンゲール法のメリットは初心者でも理解しやすく、短期間で大きな利益が狙え、損失が限定される点です。
しかし、引き際が難しい、勝ち負けを繰り返すと利益が残らないといったデメリットもあります。
逆マーチンゲール法を活用する際のコツはリスクリワードレシオを高めることやトレードの止め時を決めることです。
また、必ずしも2倍にする必要はなく、取引数量を調整することでリスクを抑えられます。
≫逆マーチンゲール法とは?メリットやデメリット、実践のコツを徹底解説
ラリー・ウィリアムズの資金管理法
ラリー・ウィリアムズは、短期売買を得意とし、特に「ウップス」という手法で知られています。
この手法では、相場の寄り付き後、前日の相場価格から反転する場所を狙います。
具体的には、前日の安値より安い価格で寄り付き、前日の安値を上抜けたら買いポジションを保有し、売りの場合は前日の高値を基準に同様に売りポジションを保有します。
また、ラリー・ウィリアムズが開発したテクニカル指標である「%R」というオシレーター系インジケーターも多くのトレーダーに利用されています。
%Rでは、ある期間の高値と安値を基準にして、直近の終値が相対的にどの水準にあるかを確認することができます。
さらに、彼の驚異的なパフォーマンスの要因は資金管理法にもあります。
ラリー・ウィリアムズは資金管理を重要視し、「市場のトレードや方向性も重要だが、最も重要なのは自分の資金を管理する方法である」という名言を残しています。
彼の資金管理法の特徴は以下の3つです。
- 最適なポジションサイズを設定する
- ポジションサイズを取引結果に応じて変える
- 損失を前もって決めておく
これらの特徴を実践することで、トレードのリスクを限定し、利益を最大化することができます。
具体的な実践方法としては、1トレードの損失額をトレード資金の2%として設定し、ポジションサイズを事前に計算することが挙げられます。
ラルフ・ビンスの資金管理法
ラルフ・ビンスは有名なトレーダーであり、資金管理の分野でも重要な貢献をしました。彼の資金管理方法には以下の特徴があります。
- ドローダウンをもとにリスクを計算する
- 最適なポジションサイズを算出する
- 利益を再投資する
彼の方法論は損失を基準にリスクを評価し、ポジションサイズを最適化することに重点を置いています。
ラルフ・ビンスの資金管理法はトレーディング業界で多くの人々に利用されており、実践する際にはルールを守り、損失を最小限に抑えるよう心掛けることが大切です。
≫ラルフ・ビンスの資金管理法とは?具体的な実践方法も徹底解説
トレードで資金管理ができない人に共通する3つの特徴
トレードにおいて資金管理は大切ですが、中には資金管理がどうしてもできずにトレードで失敗をしてしまう人がいます。
トレードで資金管理ができない人には、以下の3つの共通する特徴があります。
- 資金管理を継続できない
- 損切りができない
- 熱くなり冷静な判断ができなくなる
特徴1:資金管理を継続できない
資金管理を正しく行うためには、日々の取引結果を記録して、自身が現在どのような取引をしているのかを把握する必要があります。
しかし取引結果を日々記録することは、コツコツと続ける必要がある作業なので、途中で辞めてしまう人が多くいます。
特に取引銘柄が多い方にとっては、記録するトレード結果が多く、面倒くさくなってしまい途中で諦めてしまう傾向にあります。
長期的に取引履歴を記録して資金管理を継続するためにも、実際に取引する銘柄数を減らしてみるということも1つの手でしょう。
特徴2:損切りができない
トレードの資金管理では、損失を限定するために損切りをすることが必須です。
しかし資金管理がうまくいかない人には、事前に決めた価格になっても損切りがなかなかできないという特徴があります。
損切りは、トレードにおいて自分の失敗を受け入れるということであるため、なかなか自身の失敗を認められない人が多くいるのです。
また人間は損失を先延ばしにしてしまうという心理的な傾向があり、損切りを躊躇してしまうことが多々あります。
損失を先延ばしにしてしまう人は小さな利益をコツコツと積み重ね、大きな損失を被ってしまう、いわゆる「コツコツドカン」になってしまうのです。
トレードにおいては長期的な視点を持つことが重要であり、1度のトレードでの損失を抑えるためには損切りを行うことが必要不可欠であることを忘れてはいけません。
特徴3:熱くなり冷静な判断ができなくなる
トレードで損切りが続いてしまったトレーダーは熱くなってしまい、冷静な判断ができなくなってしまう傾向にあります。
冷静な判断を失い、損失を取り戻すために無理な取引をしてしまうと、更なる損失を招いてしまって一度のトレードで利益の全てを失ってしまう可能性があります。
トレードにおいて、数回の勝ち負けは重要ではありません。
長期的な視点を持って資金管理を行い、利益を最大化することこそが最も重要なのです。
熱くなりすぎて損失を取り戻そうとすることは、トレードにおいて最大の敵となるため、冷静に判断し、資金管理をしっかりと続けて、長期的な利益を追求するようにしましょう。
≫トレード依存症になっていませんか?トレード依存症の原因や治療方法を解説
トレードで資金管理をする際の注意点
最後にトレードで資金管理をする際に注意するべき、以下の3つの点を詳しく解説していきます。
- 適切な資金管理方法が異なる
- 有名な資金管理方法が必ずしもうまくいくとは限らない
- メンタルを安定させることを意識する
その1:適切な資金管理方法が異なる
一度決めた資金管理方法は全ての取引で使えるという訳ではなく、適切な方法で活用する必要があります。
例えば、デイトレードとスイングトレードでは、取引の時間軸や回数、日々の価格変動幅が異なるため、同じ資金管理方法が必ずしも通用するわけではありません。
したがって、取引の時間軸に合った適切な資金管理方法を選んで利用するようにしましょう。
≫デイトレードは特に資金管理が重要!デイトレードで活用できる資金管理方法を紹介!
その2:有名な資金管理方法が必ずしもうまくいくとは限らない
マーチンゲールやラリーウィリアムズの資金管理方法など、トレードの世界でよく知られている資金管理方法が必ずしもうまく機能するとは限りません。
マーチンゲールはナンピンを行って取得単価を下げていく資金管理方法です。
ナンピンによる資金管理は、レンジ相場では有効に機能しますが、トレンド相場では思わぬ大きな損失につながる恐れがあります。
≫マーチンゲール法は勝てる資金管理法なのか?ナンピンとの違いは?メリット・デメリットも解説
有名な資金管理方法だから安心というわけではなく、相場を適切に見極めて利用する必要があるということを忘れてはいけません。
その3:メンタルを安定させることを意識する
トレードの資金管理では、資金管理方法を長期的に続けていくために、メンタルを安定させることが重要です。
確立した資金管理方法もメンタルが安定していない状態では、冷静な判断ができずうまく使いこなせません。
資金管理の効果を最大限発揮するためにも、常にメンタルを安定させることを意識するようにしましょう。
メンタルの安定を保つためには、適切な休息やトレードを行う前の準備、過去のトレードの失敗を分析して対策を立てることなどが有効です。
まとめ
トレードの資金管理について、資金管理が重要とされている理由から具体的な資金管理方法、活用する際の注意点に至るまで詳しく解説しました。
トレードの資金管理では、損失を最小限に抑え、長期的な視点で利益を得ることを考えることが重要です。
また長期的に資金管理を行うためには、メンタルを安定させて常に冷静な判断を行う必要もあります。
本記事で解説した資金管理を正しく行うことができれば、相場の変動にも柔軟に対応できるようになり、トレードの成功率を格段に上げられるでしょう。