【テクニカル分析】移動平均線のゴールデンクロスを徹底解説!
この記事ではテクニカル分析の中でも、移動平均線のゴールデンクロスについて解説していきます。
「移動平均線については分かったけど、具体的にどう使うの?」
「ゴールデンクロスの注意点はある?」
移動平均線について勉強した方なら、次にどのように移動平均線をトレードに活用するべきか悩んでいるのではないでしょうか。
そんな方に一番最初に紹介したいのが、ゴールデンクロスです。
この記事ではゴールデンクロスに関して、以下の3つを解説していきます。
- ゴールデンクロスとは
- ゴールデンクロスの活用方法
- ゴールデンクロスを活用する際の注意点
この記事を読めば、もっとも有名なテクニカル分析の一つである、ゴールデンクロスを自分の手法の一つとして活用できるようになります。
ゴールデンクロスとは
ゴールデンクロスは移動平均線を用いたテクニカル分析の中では、もっとも有名な手法の一つで、相場が上昇局面に入っていることを示唆しています。
したがって、相場にゴールデンクロスが発生した場合は、相場の上昇を見込んだ買い注文が入りやすくなります。
ここでは、ゴールデンクロスに関して以下の3つを解説していきます。
- ゴールデンクロスの発生条件
- なぜゴールデンクロスが買いシグナルなのか
- ゴールデンクロスの出現頻度と期間設定
ゴールデンクロスの発生条件
ゴールデンクロスの発生条件は、
- 長期の移動平均線が横ばい、または上向きのときに
- 短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に交差
以上のようになります。
上図では、短期の移動平均線である25SMA(単純移動平均線)が長期の移動平均線を下から上に突き抜けたことで、ゴールデンクロスが発生しています。
実際、ゴールデンクロスが発生した後には、相場が上昇局面に入っていることが分かります。
なぜゴールデンクロスが買いシグナルなのか
前述のように、一般的にゴールデンクロスは買いシグナルとして解釈されています。
ゴールデンクロスをトレードで活用するためには、ゴールデンクロスがなぜ買いシグナルを示唆するのかを理解する必要があります。
ここでは単純移動平均線のゴールデンクロスについて考えるものとします。
単純移動平均線については、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
単純移動平均線では、
5日単純移動平均線=(本日の終値+1日前の終値+2日前の終値+3日前の終値+4日前の終値)/5
以上のように、期間分の終値の平均が表示されます。
つまり、短期的な終値の水準が長期的な終値の水準を上回ったときには、短期的な相場が上昇していることを示唆しています。
ゴールデンクロスの出現頻度と期間設定
ゴールデンクロスの出現頻度は、長期と短期の移動平均線の組み合わせや、使用している移動平均線の種類に依存します。
つまり、25SMAと75SMAの組み合わせと20SMAと50SMAの組み合わせでは、ゴールデンクロスが発生するタイミングは異なります。
また、移動平均線の組み合わせに関しては、なるべく期間の離れた2つの移動平均線を採用することをオススメします。
20日移動平均線と25日移動平均線のような、期間の差が小さい移動平均線の組み合わせを採用してしまった場合、それほど重要でない局面でゴールデンクロスが発生してしまいます。
その原因として、終値の平均を計算する対象期間のほとんどが重複しているため、移動平均線の値に差が生じにくいことが上げられます。
ゴールデンクロスの効果的に機能するためにも、
- 短期:5 長期:25
- 短期:13 長期:26
- 短期:20 長期:50
- 短期:25 長期:75
以上のような、十分に期間の離れた2つの移動平均線を使用することをオススメします。
ゴールデンクロスの活用方法
ここではゴールデンクロスを活用したトレード例を紹介していきます。
以上は25SMAと75SMAを表示させたチャートです。
ここで、25SMAと75SMAのゴールデンクロスが発生したので、買いでエントリーを行います。
ゴールデンクロスの後、チャートはしっかりと上昇していきました。
上昇の勢いがなくなってくると、次第に25SMAが下に傾いていき、最終的に75SMAとのデッドクロスが発生しました。
デッドクロスとは、ゴールデンクロスとは反対に、短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下に交差することで、売りシグナルとして用いられます。
デッドクロスが起きたら、ポジションを決済してトレード終了です。
このように、移動平均線2本を使っただけでトレードを行うことも可能です。
ゴールデンクロスを活用する際の注意点
では次に、ゴールデンクロスを活用する際の注意点について解説していきます。
- ダマシが多い
- 長期の移動平均線の傾きに気を付ける
- エントリータイミングが遅れる
ダマシが多い
ゴールデンクロスはダマシが多いのも特徴です。
ダマシとは、ゴールデンクロスが発生したにもかかわらず、相場が上昇しないことを指します。
ゴールデンクロスのダマシは、以上のようなレンジ相場(揉み合い)でよく発生します。
チャートが形成されている段階では、その相場がレンジになっているかを判断することはできないため、ゴールデンクロスのダマシを未然に防ぐことはかなり難しいと言えます。
ゴールデンクロスのダマシへの対処法として、
- 別のテクニカル分析を併用してダマシの遭遇頻度を下げる
- 資金管理面からダマシによる損失を最小化する
以上のような手段が採用されることが多いです。
長期の移動平均線の傾きに気を付ける
長期の移動平均線が下向きの時に、ゴールデンクロスが発生した場合には注意が必要です。
移動平均線の傾きには、トレンドを示唆する機能があり、長期の移動平均線であるほど、トレンドは強力になります。
したがって、長期の移動平均線が下向きで、強い「下降トレンド」を示唆している時に、ゴールデンクロスが発生したとしても、相場が上昇する見込みは低くなってしまいます。
上図は、長期の移動平均線である75SMAが下向きであるときに、短期の移動平均線である25SMAがゴールデンクロスした様子です。
ゴールデンクロスの発生後、相場は75SMAが強い抵抗線となり、大きく下降していってしまいました。
エントリーや決済タイミングが遅れる
そもそも移動平均線は過去の終値の平均を指標化しているだけなので、かならず現在の相場に遅行する形でゴールデンクロスが発生します。
したがって、ゴールデンクロスが形成された時には、既に相場が上昇しきってしまっていることがあります。
上図のチャートでゴールデンクロスが発生したのは、大きな上昇の勢いが失われた後だったのが分かると思います。
まとめ
ここまで移動平均線によるテクニカル分析の一つ、ゴールデンクロスについて解説してきました。
本記事の要点は以下の3つです。
- ゴールデンクロスは、短期の移動平均線が長期の移動平均線を、下から上に交差することで、買いシグナルになる
- ゴールデンクロスはダマシが多いため、他のテクニカル分析を併用することが多い
- ゴールデンクロスは遅れて発生するため、エントリータイミングが遅すぎることもある